世界ウナギシンポジウム宮崎大会

ニュージーランドにおけるウナギの資源保全と研究

Don Jellyman(ドナルド・ジェリーマン) 国籍:ニュージーランド 性別:男

ニュージーランドに存在する3種のウナギのうち,短鰭型のAnguilla australisと長鰭型のAnguilla dieffenbachiiの2種は最も一般的であり,伝統的漁業と商業的漁業を支えている。ニュージーランドの先住民族であるマオリはウナギの回遊時期を非常に良く理解し,発達した漁獲技術を持つ(漁業権をめぐって時折争いがあった)。現在,分配管理制度(Quota Management System)のもと,マオリは20%以上のウナギ漁獲を割り当てられている。商業漁業による現在の総漁獲量は年間約800トンである。研究対象として主眼におかれているのは産卵場,加入時期と動向,年齢と成長,ダムの通過,および,物理的特性(GIS techniques:地理情報システム技術)に基づいて個体群サイズを予測できるモデルの開発である。ウナギ生息地の消失とウナギ漁獲減少の間には関連があり,特に雌の産卵時の年齢が80歳以上と考えられる長鰭型ウナギに対して,保護地域の増加が重要視されている。

Don Jellyman(ドナルド・ジェリーマン)プロフィール

ニュージーランドの国立研究所NIWAでウナギ一筋に研究してきたウナギ学全般の世界的権威。

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