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旅するうなぎ〜時空を超えて!ウナギの魅力に迫る講演会を開催!

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世界的なウナギ研究の第一人者である東京大学大気海洋研究所の塚本勝巳教授によるウナギの不思議に迫る講演会を、10月22日に美郷町南郷区の多目的センターで開催しました。この講演は、町内の小中学生や地域の皆様がウナギの生態や産卵行動等について学習することでウナギの魅力を再発見することを目的として町と町教育委員会が主催されたものです。日頃から美郷町南郷区と山づくりやウナギの放流をとおして交流のある当NPOとウナギの養殖から流通〜加工〜販売と一貫した生産体制を確立している宮崎市の株式会社大森淡水が協力・後援をいたしました。ウナギの研究界ではその名を日本はもとより世界的に知らしめておられる塚本先生の話とあって、250人収容の会場は町内の小学校の5年生以上と中学校からの150人の生徒と、教師・保護者・一般参加者100人と満席で、会場に入りきれない方はロビーのモニターで講演を聞く状態でした。塚本先生の「旅するうなぎ〜時空を超えて」は、うなぎの誕生から進化の話し、ウナギの仔漁(レプトケファレス)を探し求めての長い航海と調査研究の日々、そして産卵場所として海山仮説と新月仮説という二つの仮説を立て、それを実証するために繰り返し繰り返し挑戦して、ついに、産卵場所を北緯14度、東経143度前後のグアム島北西約200q、スルガ海山付近と突き止めるまでの様々なエピソードに、児童生徒はメモを取りながら目を輝かせて聞き入っていました。そして、この3月に成功したウナギの完全養殖についての仕組みや天然のシラスウナギが確実に減ってきている現状を直視し、早い時期に大量養殖が可能になる技術の向上と、そしてなによりも現在一匹当たりのコストが1万円はかかっていることから、如何にしてコストを100円以下に抑えられることができるかが完全養殖成否の鍵になるとのことであった。スライド写真を使った分かりやすい説明に出席した小中学生から「ウナギがこんなに不思議なものとは知らなかった。ウナギの色々なことを知ることができて大変勉強になった。ウナギがマリアナ諸島で生まれて日本に来て、それからまたマリアナ諸島に帰って行くのに5,000q〜6,000qも旅することを聞いて驚いた。」と異口同音の感激の感想が聞かれた。(文責:田中義久)

[2010年10月26日]

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