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世界初の完全養殖ウナギにご対面!

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本NPO会員でウナギの養殖を行っている養鰻業者と宮崎県養鰻漁業協同組合との共催により、去る9月30日に世界初のウナギの完全養殖に成功した独立行政法人水産総合研究センター志布志栽培漁業センターの視察研修を実施しました。当NPOに属する養鰻業者の会員は、本ホームページでも紹介していますように、GAPを順守した安全・安心な養殖に努めており、各方面から高い評価をいただいております。現在のウナギ養殖は、漁獲したシラスウナギと呼ばれる天然の稚魚をウナギの成魚にまで育てていますが、過去30年余の間にシラスウナギの漁獲量が10分の1程度までに急減し資源保護が急務となっています。天然のシラスウナギに依存している養鰻業者は、シラスウナギの大漁不漁により経営が大きく左右されることから、安定的な採捕を限りなく嘱望いたしております。しかし天然ものですから、恒久的かつ確実な採捕は約束されず近年極めて厳しくなってきている現状にあります。このため、人工養殖技術への期待が集まっているところです。そのような中、今年の3月に卵から育てたニホンウナギから採取した卵と精子を使って2世代目のウナギを人工ふ化させる「完全養殖」が世界で初めて成功したとの報道がなされ、さらには、8月末には、その仔魚(プレレプトセファレス)がシラスウナギに成長したとの発表がなされました。このため、養鰻に携わる者として、ウナギ完全養殖成功の歩みを勉学し、この機を逃しては見ることのできない親ウナギ〜卵〜プレレプトケファレス〜レプトケファレス〜シラスウナギの実物を拝見することとしました。大変貴重な研究成果を目の前にし、改めてレプトケファレスやシラスウナギの神秘さに深い感動と感銘を覚えました。量産化されるには、良質卵の大量採卵技術の開発や種苗の大量生産技術の開発などといった越えなければならないハードルが山積しているとのことですが、確実に人工ふ化〜シラスウナギの道が開かれ、そのシラスウナギを養殖する日がそう遠くはないことを実感した次第です。(文責:田中義久)

[2010年10月04日]

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